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Business and Markets

世界的な半導体の需給不均衡は、自動車や医療等のエッセンシャル分野を含むあらゆる業界に影響を及ぼしました。世界中の政府が、トータルで数千億ドルにのぼる断固とした刺激策を打ち出して半導体の生産能力を拡大し、サプライチェーンの強化と増加する需要への対応をはかっています。この半導体生産能力拡大策の実効性は、新しい半導体製造装置の製造と設置にかかっています。一言でいえば、半導体製造装置を増やせなければ、生産能力も増えないのです。 半導体不足により、ウェーハファブ装置など複雑な半導体製造装置の納期が長期化しています。装置メーカー各社の情報では、2020年には3~6カ月だった装置の納期が、2021年の第1四半期には平均10カ月となり、2021年7月には平均で14カ月まで伸びているのです。装置によっては納期が2年を超えているものもあります。 このホワイトペーパーの目的は、半導体製造装置の生産に必要な半導体デバイスの供給を確保することにより、半導体製造装置の納期は大幅に短縮され、半導体デバイスメーカーが計画通りに生産能力を拡大できるようなるという認識を高めることにあります。 半導体増産のあらゆる方策は半導体製造装置に依存 半導体製造装置の納期の長期化によって、半導体ファブに拡張の余地が十分にあっても生産能力の増強が阻まれ、その結果、半導体デバイスメーカーと、材料・装置のサプライヤーからパッケージやテストのサービスプロバイダーにいたるサプライチェーン全体による半導体不足軽減に向けた努力の足枷となる恐れがあります。SEMI World Fab Forecastの2021年末のレポートによると、2020年から2024年の間に新規ファブ計画および大型のファブ拡張計画が86存在します(図1参照)。これは、200mmファブの生産能力の20%増加、300mmファブの生産能力の44%増加に相当します。装置納期の長期化は生産能力の拡張計画の遅延につながり、半導体不足の長期化を招く可能性があります。 図1:2020年~2024年に生産開始予定の新規300mmおよび200mm工場計画 半導体製造装置の生産は比較的少量の半導体デバイスに依存しており、これらは多くの場合、半導体製造装置メーカーとそのコンポーネントサプライヤーにより購入され組み込まれます。半導体製造装置メーカー各社の情報によると、装置メーカーならびにそのサプライヤーが使用する半導体デバイスは、半導体世界市場の1%にも満たない量です。しかしながら、半導体製造装置に使用される半導体デバイスは、増加する半導体需要に対応して生産能力を拡大するために欠かせないものであり、それゆえ、生産能力拡大と製造サプライチェーン強化に向けたあらゆる投資や政策の成否を左右します。半導体製造装置の生産を増やす上での火急の課題は、半導体デバイスの適切かつ遅延のない供給の確保です。半導体生産能力の増強を求める業界および政府の関係者には、半導体製造装置およびそのサプライヤーに対し、新規ファブに設置する装置に使用する半導体デバイスの供給を確保していただく必要があります。 半導体製造装置の乗数効果 重要なのは、半導体製造装置を生産するために必要な半導体デバイスはごく少量であっても、装置が生産する半導体デバイスは大量であり、SEMIによる半導体製造装置メーカーの調査によると、1000倍以上の乗数効果があるということです。半導体製造装置メーカーが必要とする半導体デバイスは製造する装置ごとに、FPGA、パワーデバイス、ADコンバーター、パワーアンプ、メモリーなど多岐にわたります。乗数効果はすべての装置に当てはまり、次のような例があげられます。 FPGAテスト装置の生産には一般的に約80個のFPGAが必要です。しかし、1台のテスト装置は年間32万個のFPGAをテストしますので、その乗数効果は約4千倍となります。 プロセス装置の生産には約100個のFPGAが必要で、1台の装置は1時間あたり120枚以上のウェーハを処理します。ウェーハは製造工程の中で同じ装置によって複数回処理されますが、ほとんどの装置が年間に処理するデバイスの個数は200万個以上であり、その乗数効果は約2万倍です。 光学検査装置の生産には約100個の高性能計算サーバーチップが必要です。その乗数効果は3万倍あるいはそれ以上です。 MCUテスト装置の生産には一般的に約100個のFPGAが必要ですが、各装置は年間1000万個近いMCUをテストすることができます。その乗数効果は約10万倍です。 米国商務省はMCUについて最も不足が著しい半導体デバイスであると言及しています(商務省ブログ)。MCUは自動車など多くの重要な産業で利用されています。MCUテスト装置の10万倍の乗数効果を例にとり、1台の自動車の製造に約100個のMCUが必要であると仮定すると、100個のFPGAを搭載するMCUテスト装置は10万台の自動車の製造に必要なMCUを生み出すことになります(図2参照)。 図2:半導体製造装置の自動車業界への乗数効果の例(出典:SEMIの調査に基づく) 上述のMCUテスト装置の例は、半導体製造装置メーカーとそのサプライヤーに対する必要な半導体デバイスの供給確保の大きな乗数効果を示しています。生産能力の拡充を計画し目標とする半導体産業は、多くの半導体製造装置を必要とし、自動車などの川下産業は、半導体製造装置がもたらす半導体生産能力拡大に依存しています。何十億個もの半導体デバイスとそれを使用する川下の無数の製品は、元をたどれば半導体製造装置が使用する少量の半導体デバイスに依存しています。すべての半導体サプライチェーン関係者が、半導体製造装置用の半導体デバイスの適切な供給を確保する活動を支援することで、半導体の生産能力は拡充し、将来の需要に対応とサプライチェーン強化が進み、半導体不足の再発を防ぐことにつながるのです。 結論 半導体デバイスメーカーは、自動車や医療といったエッセンシャル産業に公平にデバイスを配分するという困難な問題に直面しています。しかし、半導体製造装置メーカーが直面する半導体不足への認識を高めることが必要です。半導体製造装置の製造に使用される半導体デバイスが少量であり、必要不可欠な半導体製造装置の優先順位をあげても、半導体デバイスメーカーは分配戦略を変更する必要がありませんから、半導体製造装置メーカー、半導体デバイスメーカー、川下の最終製品メーカー、そして最終的には消費者を含めた、全員の利益となるのです。 半導体製造装置がなければ、半導体ファブの生産能力を増やして、無数の川下産業の需要に対応することは不可能です。半導体製造装置への半導体デバイス供給の優先順位を上げる効果は計り知れません。これにより装置の納期が短縮し、半導体の生産能力を劇的に引き上げることが可能となり、半導体不足を緩和し、投資利益率も改善するからです。
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新型コロナウイルスのパンデミックが広がった時、産業界ばかりでなく世界経済全体が急ブレーキを踏みました。サプライチェーンのロジスティックス混乱や政府による規制といったさまざまな不確実性や困難に見舞われた企業は、緊急の感染リスク対策やビジネスモデルの変更を強いられました。このような状況下においては、持続的成長の見込みは疑わしいと考えられました。しかし、パンデミックによる意外な副作用として世界経済のデジタル化が加速したことで構造転換が進み、すでに成熟していた半導体産業を過去最高へ押し上げたのです。 新型コロナウイルス、地政学的緊張、サプライチェーンの制約がもたらしたあらゆる波乱にもかかわらず、2021年は半導体業界全体にとって2年連続の記録的成長の年となりました。現代デジタル経済を支える多種多様な半導体デバイスからのシリコン需要は依然として旺盛で、2021年のシリコン出荷面積は過去最高を記録しました。半導体材料市場も、2020年の最高値を更新しています。世界的な産業のデジタル化進行による半導体の長期的需要が、この目覚ましい成長を導いたのです。 SEMIの半導体製造装置市場統計レポート年間購読(EMDS)のデータを見ると、2021年の装置業界はアクセルを強く踏んでいたことが分かります。需要に対応する生産能力増強は、前工程/後工程の両装置分野の販売額を押し上げました。半導体製造装置の世界市場は44%もの成長を記録し、2020年の過去最高記録を更新する1020億ドルに到達したのです。装置市場の成長をけん引したのは、先端ロジックとファウンドリの生産能力拡張、DRAMの投資回復、そしてNANDの堅調な投資です。2021年の装置投資は全ての地域で旺盛となり、はじめて中国、韓国、台湾の上位3地域の装置年間投資額が揃って200億ドルを超過しました。 装置のトータル市場の86%を占める前工程(ウェーハファブ)装置は43%の成長を遂げました。前工程装置への投資拡大は、ファウンドリ/ロジック分野と、力強い回復を見せたメモリー分野がけん引したものです。ファウンドリ/ロジック分野の投資は前工程装置の投資全体の半分以上を占めており、2021年は前年比50%の増加をしました。同時に、メモリー分野のNANDおよびDRAM製造装置も旺盛な需要を示し、DRAMは2021年に前年比52%という最高の伸長率となり、NANDも24%増となりました。 一方、後工程装置は、組立及びパッケージングとテスト装置の両分野とも過去最高額となりました。2020年に34%成長した組立及びパッケージング装置は、2021年にさらに前年比87%増の70億ドルとなりました。組立及びパッケージング装置に対する需要は主にフリップチップやウェーハ・レベル・パッケージング等のアドバンストパッケージング技術、そしてワイヤーボンディングの生産能力拡大によるものです。テスト装置は2020年に20%の増加を記録した後、2021年は前年比30%増の78億ドルに達しました。テスト装置の長期需要は安定して5G、自動車、IoT、高速メモリーがけん引しています。これに加えて、チップの複雑化とチップレット構造の採用拡大が成長を急速に押し上げています。 以上の結果、産業構造はより高い資本集約度と著しい成長へシフトしており、これを制限しているのはサプライチェーンの需要への対応、生産能力拡大ペースへの追随の能力となっています。半導体売上高に対する設備投資水準は、2020年の16.2%から2021年には18.5%まで上昇しています。 経済のデジタル化によって、半導体産業は資本集約度と設備投資規模という点で新たな高みへ向かっていますが、その進路には上下動もあるでしょう。パンデミックが始まって以来、半導体産業は、労働力、材料、部品の不足や、物流の遅延、生産能力の不足といった様々な困難に見舞われてきました。こうした困難にサプライチェーンが制約を受け、半導体デバイスを製造するために必要な装置の納期が長期化しています。さらに地政学的緊張と政治的輸出規制が障害に加わって、サプライチェーンや法規制の不透明感を強める恐れがあります。しかし、サプライチェーンネットワークの根本的な再構築には、それが政治的なものでも市場原理によるものでも、数カ月ではなく数年を要するでしょう。 最近の半導体業界はアクセルを踏み込んだり道の穴を迂回したりしながら進んでいますが、まだ成長のガソリンは残っているかが当然の疑問となります。しかし、枯渇の心配は当面ありません。2022年の半導体製造装置市場は、10~12%の堅調な成長見通しがコンセンサスとなっており、SEMIの市場予測においても、先端技術への投資とメモリー分野の旺盛な装置支出に支えられた市場は1140億ドルに達する見込みです。歴史的に見ると、複数年にわたる連続成長は容易ではなく、連続成長の後には、増加した生産能力を消化し、需給バランスを整えるために投資が抑制されるのが通常です。しかし、今日の環境では、デジタルトランスフォーメーションに関連する様々な新技術の台頭により、市場がさらなる成長の道をたどる可能性があり、指標は業界の長期的な拡大路線を指し示しています。 半導体製造装置市場の地域別、装置カテゴリー別のトレンドの詳細については、SEMIの半導体製造装置市場統計レポート年間購読(EMDS)他のレポートをご参照ください。SEMIの市場データ製品についてはこちらをご覧ください。 Inna SkvortsovaはSEMI市場情報チームの市場アナリストです。
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ここ5年間の半導体サプライチェーンに携わる誰をも驚かせる展開を見せたのが、チラーサプライヤーの際立った業績です。クリーンルームの下にあるサブファブに置かれる冷却装置には誰も注目していませんでしたが、この5年間で売り上げは5倍となり、22%の年平均成長率で、2021年に6億3500万ドルに達したのです。これは業界平均の成長率13.3%をはるかに上回ります。 何が急成長をけん引したのか メモリやロジックデバイスの製造において、ドライエッチングの工程が増加し複雑化したとが、この目覚しい成長の背景にあります。チラーや熱交換器は、プロセス中のウェーハの温度をより狭い範囲に維持するという問題に対し、特に大きな成果を上げています。これは、チラーの技術的進歩を示していますが、この分野が好調であることの説明にはなりません。 例外的な成長の主な要因は、エッチングプロセスチャンバーに供給される高周波(RF)電力の増加にあります。この電力増加により発生する熱量も増え、その放熱と制御必要となり、チラーが活躍する場面となったのです。増大する熱の制御には、多数のスペックの高いチラーが必要となり、台数の増加と高スペック化の両輪が目覚ましい成長がもたらしたのです。 半導体用チラーの主要サプライヤー 米国のAdvanced Thermal Sciences(ATS)が、米国メーカーがエッチング装置を圧倒していることで優位となり、売り上げベースでは首位のチラーサプライヤーとなります。2位には日本の伸和コントロールズが入り、韓国のUnisemとGSTが4位と5位となります。 需要への対応以外で、全てのチラーサプライヤーにとっての最大の課題となっているのが、膨大な消費電力の削減です。小型で高効率なチラーの開発が、今後の差別化の鍵となるでしょう。 チラーおよび熱交換器に依存するアプリケーション チラーおよび熱交換器の売上は、ドライエッチング向けが全体の61%を占めます。しかし、ドライエッチング以外のプロセスでも使用されており、19%が成膜向けであり、残りの20%はイオン注入、CMP、ウェットプロセス等で使用されます。 チラーおよび熱交換器は過去5年間、驚異的な成長パフォーマンスを示してきましたが、真空プロセスの増加率が通常のレベルに戻るにつれ、2026年にかけて成長率はかなり緩やかになると予想しています。以下がその理由です: 3D NANDの生産能力は初期の立ち上げが完了し、現在の成長率はメモリ生産能力全体と概ね足並みを揃えている。 EUVリソグラフィーの導入により、真空プロセス装置の需要は短中期的に先細りしている。 チラーおよび熱交換器の将来の成長トレンドは、クリティカルサブシステム業界全体の平均と足並みを揃え、2026年まで年率約3%で推移することが予測されます。 クリティカルサブシステムならびにVLSI Researchについての詳しい情報は、www.vlsiresearch.com/public/csubsをご覧ください。 John Westは、VLSI Research Europeのマネージングディレクターです。
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気候危機が世界中の人々やコミュニティに影響を及ぼす中、政府、市民、企業が一丸となって、この現象の最悪の事態を食い止め、各国の将来の目標であるカーボンニュートラルへ向けて前進しようとしています。 台湾の半導体産業は、世界の電子機器、コンピュータ、携帯電話、自動車のほとんどに製品を供給していますが、こうした集団的対応を支援するため、カーボン・フットプリント(二酸化炭素排出量)を縮小し、ESG(環境・社会・ガバナンス)を実践するための重要なステップを踏み出しました。 Qualcomm、TSMC、UMC、ASE Group、Win Semiconductorなどのチップメーカーや、Merck、DuPont、Applied Materialsなどのサプライヤーが、台湾での事業を大きく調整し始めています。目的は、現在のコアテクノロジーを実現する製品の生産を、持続可能性と環境保護という国際的なトレンドに合わせることで、世界のビジネスに起きている大変化に対して、企業や業界のレジリエンスを高めることにあります。 このような取り組みを支援し、促進し、よりインパクトのあるものにするために、世界的な半導体業界団体であるSEMIは、業界全体の環境・健康・安全(EHS)ガイドラインを推進するという長年の取り組みを次の段階に進めています。 SEMIグローバルCMO兼SEMI TaiwanプレジデントのTerry Tsao氏は、「SEMIの会員ならびにステークホルダーから、業界がどのようにして持続可能なビジネス運営に取り組んでいるかを共有したいという要望が高まっている中で、新しいESGイニシアチブを推進できることを誇りに思っています」と述べています。イニシアチブには、新しいSEMIスタンダードによる、SEMI会員の持続可能性目標の達成支援も含まれています。 SEMI Taiwanプレジデント兼グローバルCMO Terry Tsao 「例えば、SEMI国際スタンダード S23とS29は、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量の削減を目的とした、半導体製造装置の性能ベースのガイドラインを成文化したものです」とTsaoは言います。 また、「TSMC 1-Day Green Project: Green Manufacturing Solution Search」では、SEMIはTSMCがグリーン・マニュファクチャリングの新たなソリューションを提供するサプライヤチェーンパートナーを探すお手伝いをしました。SEMIは30社以上のサプライヤーを招き、TSMCとのミーティングでエネルギー他の資源節減やリサイクルの技術を紹介する機会を設定しました。 今年は、「SEMI ESG and Sustainable Manufacturing Summit」をSEMICON Taiwan 2021の重要な先行イベントの一つとして、10月6日から8日の日程で開催します。このサミットでSEMIは、エネルギー管理、ゼロ・ウェイスト、ネット・ゼロ・エミッション、循環経済、グリーン・マニュファクチャリングの各分野におけるロードマップと技術開発を共有します。 SEMIの取り組みは、半導体関連企業だけに限定されるものではないとTsaoは指摘します。「ステークホルダーの大多数を私たちの活動に巻き込もうと試みています。最終的には、FPDやPCメーカーなど、隣接産業にも影響を及ぼすことができると考えます。持続可能な生産へ移行するためには、できるだけ多くのハイテク産業のエコシステムの参画が重要となります。」 また、SEMI会員企業は、同じ産業分野の他のプレイヤーが自分たちとESGゴールと整合することにも価値を見出しています。昨年7月、2050年までに再生可能エネルギーを100%使用することを公約する世界的な取り組みである「RE100」に、TSMCが半導体企業として初めて参加しました。その翌月には、TSMCは世界最大規模の企業向け電力購入契約をØrsted社と締結し、再生可能エネルギーの目標達成に向けて順調に進んでいます。しかし、RE100の別の部分では、サプライチェーン管理と調達における二酸化炭素排出量削減が盛り込まれており、サプライチェーンには2030年までに二酸化炭素排出量を20%削減することが求められます。 「より多くの半導体企業が、環境面での持続可能性を購買決定に反映させています。これは、サプライヤーに電力使用量の管理を強化し、グリーンエネルギー利用を促すための方法です。そうすることで、サプライヤーは気候変動からの避けられない結果を抑制するための重要な一歩を踏み出すことができるのです」とTsaoは言います。 こうした努力が次第に実を結びつつあります。SEMIの主要会員企業のいくつかは、経済・環境・社会的基準に基づいて世界の主要企業を評価するダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスに登録されています。昨年は、台湾のファウンドリーであるWin Semiconductorが、電力と水の消費量を減らし、温室効果ガスの排出量を抑え、大気汚染を軽減する努力が認められ、初めてこのインデックスに加えられました。 今後の展望として、SEMIは会員企業や志を同じくする団体と協力して、半導体業界におけるESGの実践を推進していく考えをTsaoは述べます。また、米国との協力関係を強化し、米台間の半導体サプライチェーンの相互依存関係を強調したいとも考えています。 最近、Tsaoは、他の台湾のビジネスリーダーとともに、米国環境保護庁とのオンライン会議に招かれ、台湾半導体産業の二酸化炭素排出量削減の成果を説明し、この極めて重要な分野で米台が協力する必要性を強調しました。 「この2つの国のパートナーは、2050年までに炭素排出量を実質ゼロにするという共通の目標を持っています。それを実現するためには、お互いの協力的な努力が必要です。」
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真空ポンプ、圧力計、真空バルブは、合計すると半導体製造装置の部材費で最大となります。半導体業界では2020年に27億ドルが真空サブシステムに支出されましたが、この内60%以上がヨーロッパに本社を置くベンダーが供給しています。実際には、2020年に全世界で販売された半導体業界向け真空サブシステムの55%が、Edwards、Pfeiffer、VAT Valveのわずか3社のヨーロッパ企業によって提供されたのです。特にEdwardsとVAT Valveのシェア拡大が著しく、これによりヨーロッパは競合する日本のサプライヤーをリードし、そのシェアをこの数年間にわたり22%に停滞させています。 現在、莫大な数の真空プロセスチャンバーが二桁近い成長率で毎年出荷さていることが、大手真空サブシステムサプライヤーにとって追い風となっています。つまり、ヨーロッパのサプライヤーには、規模拡大のためのリソースと、顧客のニーズを先取りするための研究開発資金があり、勢いに乗っているということです。 特に中国、韓国、台湾では、エンドユーザーが真空サブシステムを国内サプライヤーから調達しようと試みましたが、ほとんどは失敗に終わりました。その逆に、ヨーロッパのサプライヤーの方で、顧客の製造拠点に近い東南アジアや韓国に製造のかなりの部分を移しています。一方、日本のサプライヤーは、製造の大部分を日本に留めたままです。 日本の真空サブシステムメーカーが対応方法を見つけられなければ、ヨーロッパのメーカーが全体としてシェアを拡大し続けることが予想されます。 本稿のデータは、2021年6月版VLSI Critical Subsystemsレポートに基づいています。詳細についてはVLSI Researchのウェブサイトをご覧ください。 John Westは、VLSI Research Europeのマネージングディレクターです。
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半導体製造装置の電源およびガスサブシステムの2016年~2021年の年間成長率(GAGR)が、23%を達成する見込みです。これはクリティカルサブシステム業界平均の16.4%を大きく上回るものです。 電源およびガスサブシステムは、半導体製造装置のクリティカルサブシステムのコスト全体の約13%を占めており、2016年の9.8%から大幅に増加しています。この成長の原動力として以下があげられます: 半導体製造における真空度の高まり チャンバーあたりのRF電源サブシステム平均使用数の増加 サブシステムの高出力化に伴う価格上昇 一般的に高額な高周波電源サブシステムの使用 多重露光や3D NANDの量産化により、成膜・エッチングの工程数が大幅に増加しました。3D NANDの場合ですと、エッチングプロセスが長時間化、困難化することで、より広範囲にわたる電源ソリューションが必要となります。 興味深いことに、電源サブシステムを装置タイプ別に分析すると、電源サブシステムの大部分(70%)がエッチング装置に使用され、蒸着装置には30%しか使用されていません。この違いは、繊細なエッチングプロセスでは、装置ごとに複数のRF電源が必要になるという事実から説明できます。一方の蒸着は、必ずしもプラズマ用電源を必要としない、熱蒸着プロセス等の装置もあります。 電源サブシステム分野は過去5年間で驚異的な成長を遂げましたが、今後2026年に向けては成長率が大幅に減速することが予想されます。2D NANDから3D NANDへの移行が完了した現在、真空/プラズマプロセスの成長スピードは他の機器市場と足並みを揃えると考えられるからです。また、EUVの導入により、真空装置の需要は緩和するでしょう。 しかし、長期的には、デバイスの密度や性能を向上させるためには、EUVと多重露光の併用が依然として必要となるでしょう。電源・ガスサブシステムの今後の成長傾向は、クリティカルサブシステムの業界平均(3.9%)をわずかに上回り、2026年までのCAGRは約6.3%と予測しています。 本稿のデータは、VLSI ResearchのCritical Subsystemsレポート(2021年6月)に基づいています。詳細については、VLSI Researchのウェブサイトをご覧ください。 John WestはVLSI Research Europeのマネージングディレクターです。
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2021年第1四半期に過去最高の出荷面積を記録したシリコンウェーハ産業は、市場の需要と平均販売価格が上昇する中、年内にも新工場建設に着手し、この先2年間の生産能力の増強を図る必要があると考えられます。 供給不足に悩まされているのは300mmエピタキシャルウェーハで、この不足によって、今後数四半期の価格は上昇を続けることが予測されます。反対に300mmポリッシュトウェーハは、現在もサプライチェーンに十分な在庫が残っていますが、最近のメモリ需要の急増によってポリッシュトウェーハ市場の回復が進んでおり、余剰在庫も減少するでしょう。メモリメーカーは、軟調であった2019年とパンデミックに襲われた2020年に生産能力をほとんど増強しておらず、これから需要増に対応するための生産能力投資を増やすでしょう。歴史的に見て、メモリの価格動向、特にDRAMの平均販売価格(ASP)は、シリコンウェーハ全体のASPと強い相関関係があります(図1)。 図1:DRAMとシリコンウェーハのASPの前年比成長率の比較 DRAMの価格は2021年第1四半期に底を脱して上昇に転じましたが、NANDフラッシュの価格も同様に、第2四半期には価格の改善が始まることが予測されます。メモリメーカーの最近の決算発表でも、今後数四半期にわたりメモリの旺盛な需要を見込んでおり、DRAMとNANDフラッシュの価格上昇が、2021年後半から2022年にかけてメモリの生産能力拡大につながることが予想されます。300mmポリッシュトウェーハの需要が拡大すると、現在の300mmエピタキシャルウェーハの不足がさらに悪化する可能性があります。 需要は予想以上に早く回復していますが、一部のシリコンウェーハメーカーは、市場のブームに対応できない可能性があります。2019年に始まった価格の下落により、長期契約(LTA)による価格安定が図られたにもかかわらず、多くのウェーハサプライヤーは新規工場建設の投資を行いませんでした。しかし、こうしたメーカーの動きが変わろうとしています。2021年と2022年の半導体ファブ建設投資は、前回のピークである2018年と2019年を上回ると予測されています(図2)。これらの新規ファブは、今後数年間の300mmシリコンウェーハ市場成長の大きな原動力となるでしょう。しかし、既存のシリコンウェーハ工場のクリーンルーム面積に限定されていては、大幅な生産能力拡大の妨げとなるでしょう。つまり、デバイスメーカーの設備投資のペースと、ウェーハメーカーの新規工場建設投資のペースに差があるため、需給バランスが不足に傾く可能性があるということです。 図2:300mm半導体ファブの建設投資予測 ウェーハメーカーが今後2年以内にクリーンルーム面積を拡大しなければ、ウェーハ市場は2017年から2018年のような供給不足に直面するため、複数のウェーハメーカーが、遅くとも年内に、新規工場建設計画を確定するか、建設に着工することになるでしょう。一方、チップメーカー、特にファウンドリやメモリ企業は、2021年に新規建設されるファブに向けた追加長期契約を締結する必要があるでしょう。需要の増加に対応するために、一部のチップメーカーは、規模と技術力の両面で競争力のあるウェーハメーカーと戦略的パートナーシップを結ぶことも考えられます。 短期的には、メモリ需要の増加が見込まれることから、2021年後半に入ると300mmポリッシュトウェーハの需給バランスはタイトになります。しかし、自動車、携帯電話、ネットワーク、GPU、データセンター向けのICや部品の不足が2021年末まで続くと、これらのアプリケーション市場におけるメモリ需要全体が妨げられ、300mmポリッシュトウェーハ市場の成長が鈍化する可能性があります。もう一つのリスクは、SK Hynixが最新の決算発表で示したように、製造装置の納期が長期化する可能性です。ファウンドリとメモリファブの両方で装置の納期が遅れると、今後数四半期に予定されている生産能力拡大も遅れる恐れがあります。 重要な情報として、今年、ウェーハ製造装置への投資額が増加することが予測されています(図3)。いくつかのウェーハメーカーが旧工場への投資の中で、300mmエピタキシャルウェーハの生産能力の拡大を図っているのです。こうした機運は、新規ウェーハ工場建設によるクリーンルーム増床の準備開始にもつながるでしょう。 図3:半導体ファブとウェーハ生産工場の装置投資額の比較 シリコンウェーハ市場の動向の詳細については、SEMIのSilicon Wafer Market Monitorをご参照ください。 Sungho Yoonは、SEMI市場調査統計部門のシニアマネージャーです。
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